今年白色申告したあなたへ|たった60分の手続きで来年から毎年15万円変わる理由

確定申告、もう完了した!という人も増えてきました。

「今年もなんとか出せた」「領収書の山を乗り越えた」——その達成感、なんともいえませんよね。

でも、少し思い出してみてください。

申告書を送信したあの瞬間、「よし、これでお金が手元に残るぞ」という感覚より、「とりあえず終わった…」という安堵のほうが大きかったりしませんでしたか?

実は、確定申告を終えた直後のこのタイミングこそが、来年の手取りを変えられる、1年で一番大事な時期なんです。

白色申告から青色申告に切り替えるための手続き——「青色申告承認申請書」の提出期限は、通常3月15日です。ただし、2026年の3月15日は日曜日にあたるため、今年に限っては翌営業日の3月16日(月)が締め切りになります。確定申告の期限と同じですね。

Junko

この申請をするだけで、来年の手取りが数万円〜十数万円単位で変わってくる可能性があります。

「え、そんなに?」と思った方、ぜひこのまま読んでみてください。難しい話はしません。この記事を読むのにかかる時間は5分ほど。読み終わったころには、「今すぐ動こう」と思っていただけるはずです。

なお、青色申告には今回ご紹介する以外にも、赤字の繰り越しや家族への給与を経費にできるなど、さまざまなメリットがあります。この記事では、まず最初に押さえておきたい提出期限と節税効果に絞ってお伝えしていきます。


目次

「売上は増えたのに、手取りが思ったより少ない」その正体

去年より売上が増えたはずなのに、なぜか手元に残るお金が思ったほど増えていない——。

そう感じたことはありませんか?

フリーランスや個人事業主の場合、売上が増えれば増えるほど、税金と社会保険料の負担も一緒に大きくなっていきます。しかも、給与所得者のように毎月少しずつ引かれるわけではなく、確定申告のあとにまとめてドーンとやってくる。「え、こんなに払うの?」と毎年驚いてしまう方も、けっして少なくありません。

でも、ここで知っておいてほしいのは、払う税金の額は、申告の方法によっても変わるということです。

同じ売上、同じ経費、同じ生活をしていても、「白色申告」と「青色申告」では、課税される所得の計算がそもそも違います。白色申告にも一定の控除はありますが、青色申告には最大65万円の「青色申告特別控除」があり、これが手取りに大きな差をもたらします。

頑張って稼いだお金が思ったより残らないのは、あなたの使い方の問題だけではないかもしれません。申告方法を見直すだけで、同じ売上でももっと手元に残せる可能性があるんです。

では、実際にどのくらい差が出るのか。次のセクションで、数字を使って具体的に見ていきましょう。


白色と青色、手取りにどれだけ差が出るか【数字で見る】

「青色申告にすると節税になる」とは聞いたことがあっても、実際にいくら変わるのかをちゃんと計算したことがある方は、意外と少ないのではないでしょうか。

ここで一度、具体的な数字を見てみましょう。

青色申告の最大の特典が「青色申告特別控除(65万円)」です。これは、課税所得を計算するときに、売上から経費を引いた後の金額からさらに65万円を差し引けるという制度。つまり、65万円分は「なかったこと」にして税金を計算できる、というイメージです。

この65万円の控除が、税額にどう影響するかを見てみましょう。


【簡易シミュレーション】 ※経費を除いた所得ベースで試算。復興特別所得税・各種控除は考慮せず概算

年間所得300万円の場合
所得税+住民税の軽減額:約10万円
国民健康保険料の軽減分も加えると:年間12〜13万円前後の差

年間所得400万円の場合
所得税+住民税の軽減額:約11〜12万円
国民健康保険料の軽減分も加えると:年間13〜15万円前後の差

年間所得500万円の場合
所得税+住民税の軽減額:約13万円
国民健康保険料の軽減分も加えると:年間15〜17万円前後の差


いちばん小さいケースでも、年間12万円以上の差。これって、ちょっとした家族旅行1回分、あるいは数ヶ月分の食費に相当する金額です。

見落としがちなのが、国民健康保険料への連動効果です。国民健康保険料は前年の所得をもとに計算されるため、青色申告特別控除によって課税所得が下がると、翌年の保険料も一緒に下がります。所得税・住民税だけでなく、保険料にまで波及するのが青色申告の見逃せないポイントです。

そして大切なのは、この差が毎年積み重なるということ。1年で15万円の差なら、5年で75万円。10年続ければ150万円です。「申告方法を変えるだけで」と思うと、なかなか侮れない金額ではないでしょうか。

もちろん、所得の状況や各種控除の適用によって実際の金額は変わります。あくまで目安としての数字ですが、「白色のままでいる」ことのコストを、一度リアルに感じてみてほしかったのです。


「青色って難しそう」は本当か?白色と何が変わるのか正直に比較

「青色申告がお得なのはわかった。でも、なんか難しそうで…」

そう感じている方、その気持ち、とてもよくわかります。

私自身も最初はそうでした。税務関係の書類を見た瞬間に、「あ、これは私には無理だ」と思った記憶があります。でも実際に使い始めてみると、思っていたよりずっとハードルが低かった——というのが正直なところです。

まず、白色申告と青色申告で実際に何が変わるのか、整理してみましょう。


変わること:帳簿のつけ方

白色申告では、家計簿に近い感覚で収入と支出を記録するだけでOKでした。青色申告(65万円控除)では「複式簿記」というやや専門的な記帳が必要となります。確かに白色より手間は増えます。

ただ、ここで知っておいてほしいのが、クラウド会計ソフトの存在です。

freeeやマネーフォワードクラウドといったクラウド会計ソフトは、銀行口座やクレジットカードと連携すると、日々の取引を自動で取り込んで仕訳まで提案してくれます。「専門的な記帳を自分で勉強して手入力する」必要はほとんどなく、確認して承認するだけで帳簿が出来上がっていく、という感覚に近いんです。

数字が苦手で青色申告に切り替えたある受講生の方は、「最初の1ヶ月だけ少し慣れが必要だったけど、2ヶ月目からはむしろ白色のときより把握しやすくなった」とおっしゃっていました。


変わらないこと:領収書の保存

領収書や請求書を保存しておく必要があるのは、白色も青色も同じです。青色だから特別に増える、ということはありません。最近は電子データでの保存も認められているので、スマホで撮影してアプリに保存しておくだけでOKなケースも多くなっています。


正直にまとめると、青色申告で「増える手間」は、最初の設定と、最初の1〜2ヶ月の慣れだけと言っても過言ではありません。慣れてしまえば、毎月の作業時間はほとんど変わらない——むしろクラウド会計のおかげで、白色のときより全体像が見えやすくなることも多いです。

Junko

「難しそう」というイメージで損をするのは、もったいないと思いませんか?


3月15日という締め切りの意味|今動かないと「また来年」になる

「青色申告に切り替えたい」と思っている方に質問です。

去年も、同じことを思いませんでしたか?

「来年こそ青色にしよう」と心のどこかで思いながら、気づいたら確定申告の季節が来て、バタバタと白色で乗り切って——そしてまた「来年こそ」。そんなループにはまっている方、意外と多いんです。

そのループから抜け出すために、まず知っておいてほしいのが、青色申告承認申請書の提出期限についてです。


青色申告は「申請した年」から適用される制度ではありません。

正確には、その年の1月1日から適用したい場合、3月15日までに申請書を提出する必要があります。(2026年は3月16日月曜日が期限です。)

つまり、もし3月16日を1日でも過ぎてしまうと、2026年分の確定申告には青色申告を適用できません。次のチャンスは、2027年分の申告——つまり約1年後、ということになります。

1年待つということは、先ほどのシミュレーションでお伝えした「年間12〜15万円の差」が、もう1年分まるごと消えてしまうということでもあります。


では、なぜ「確定申告を終えた今」が最高のタイミングなのでしょうか。

理由はシンプルで、今が一番、自分のお金の状況を把握できている瞬間だからです。確定申告のために収入・経費・所得をすべて整理したばかりのこのタイミングは、「来年はどう変えたいか」を考えるのに、これ以上ない好機といえます。

また、確定申告と青色申告承認申請書の提出期限が同じ3月15日(2026年は3月16日)というのも、「ついでに出せる」という意味で、動きやすいタイミングです。申告書を提出した流れのまま、もう一枚手続きするだけ——と考えると、少しハードルが下がりませんか?

「去年も来年こそと思っていた」という方にとって、今年の3月16日は、そのループを断ち切れる最後のチャンスかもしれません。


青色申告承認申請書の提出方法|やることはたった3ステップ

「じゃあ実際に何をすればいいの?」という方のために、手続きの全体像をお伝えします。

結論から言うと、やることは3つだけです。しかも合計で30〜60分もあれば終わります。「申告書類」と聞くと身構えてしまいがちですが、この手続きに関しては、思っているよりずっとシンプルです。


STEP
申請書を入手する(約5分)

一つは、国税庁のウェブサイトからダウンロードする方法。「青色申告承認申請書」で検索するとすぐに見つかります。もう一つは、お近くの税務署の窓口でもらう方法です。どちらでも内容は同じなので、やりやすい方を選んでいただいて問題ありません。


STEP
申請書に記入する(約15〜20分)

記入する項目は大きく分けると、氏名・住所・マイナンバー・事業の種類・帳簿の種類、といったものです。難しい計算は一切ありません。

よく迷いやすいのが以下の3点です。

事業所又は所得の起因となる資産の名称及びその所在地」という欄は、自宅で仕事をしている場合は自宅の住所をそのまま記入してOKです。

簿記方式」の欄は、65万円控除を受けたい場合は「複式簿記」を選択します。クラウド会計ソフトを使う場合は、ソフトが対応してくれるので、ここは迷わず「複式簿記」と記入して大丈夫です。

もし記入していて「これで合ってるかな?」と不安になったら、税務署の窓口で確認してもらえます。「書き方を教えてください」と持参すると、親切に教えてもらえることがほとんどなので、完璧に仕上げようとしなくて大丈夫です。

備え付け帳簿名」の欄は、クラウド会計ソフトを使う場合はすべての帳簿が自動生成されますが、まずは必須となる「仕訳帳」と「総勘定元帳」にチェックを入れておきましょう。


STEP
提出する(約5〜10分)

提出方法は3つあります。

e-Tax(オンライン)は、自宅から送信できるので時間も手間も最小限。確定申告をe-Taxで行った方なら、同じ環境でそのまま提出できます。

郵送は、申請書を印刷して税務署宛てに送るだけ。切手を貼って投函するだけなので、税務署に出向く時間がない方に向いています。

税務署窓口への持参は、その場で記入内容を確認してもらえるので、「本当にこれで合ってるか不安」という方には一番安心できる方法です。


どの方法を選んでも、提出そのものにかかる時間はわずかです。記入の時間を含めても、トータル30〜60分もあれば完結する手続きです。

「思ってたより全然簡単そう」と感じてもらえたなら、ぜひこの勢いのまま動いてみてください。


申請後にやっておきたい「お金の土台」3つ

青色申告承認申請書を提出できたら、ひとまず大きな一歩です。でも、申請はあくまでスタートライン。せっかく青色申告に切り替えるなら、同時にお金の土台も一緒に整えておくと、来年の確定申告が今年よりずっとラクになります。

「また新しいことを覚えなきゃいけないの?」と身構えなくて大丈夫です。ここでお伝えする3つは、どれも難しくありません。


① 事業用の口座・クレジットカードを分けておく

クラウド会計ソフトを使う前に、まず一つお願いしたいことがあります。それが、事業用とプライベート用のお金の窓口を分けておくことです。

同じ口座やクレカを仕事でもプライベートでも使っていると、クラウド会計ソフトに取り込んだとき、どの取引が経費でどれが個人的な支出かを一件ずつ仕分けしなければなりません。これが想像以上に手間で、帳簿づけが嫌になってしまう原因の一つなんです。

事業用の口座とクレカを一本ずつ作っておくだけで、経理の手間は驚くほど減ります。青色申告に切り替えるこのタイミングが、口座を整理する絶好の機会です。


② クラウド会計ソフトの初期設定をしておく

口座の整理ができたら、次はクラウド会計ソフトの初期設定です。freeeやマネーフォワードクラウドなどのソフトに、先ほど整理した事業用口座とクレカを連携させておきましょう。

設定自体は1〜2時間もあれば完了します。これをやっておくだけで、4月以降の帳簿づけは「確認して承認するだけ」という流れになり、毎月の作業時間が格段に短くなります。


③ 領収書・証憑の保存ルールを決めておく

経費として計上するには、領収書や請求書などを保存しておく必要があります。ただ、「何をどう保存すればいいの?」と混乱している方も多いので、ポイントだけお伝えします。

実は、電子帳簿保存法で本当に義務になっているのは一つだけ。メールやネットで受け取ったデジタルの領収書・請求書を、電子データのまま保存することです。紙で受け取った領収書は、これまで通り紙のまま保存してOKです。

「紙は紙のまま、デジタルはデジタルのまま」——まずはこれだけ覚えておけば十分です。詳しい保存方法や、AmazonなどのWeb明細の扱い方については、こちらの記事で詳しく解説しています。


この3つを整えておくことで、青色申告の恩恵をしっかり受けながら、経理の手間も最小限に抑えられます。仕組みさえできてしまえば、あとは流れに乗るだけ。来年の確定申告が終わったとき、「今年は余裕だった」と思えるような1年にしていきましょう。


まとめ|今年の申告を終えた今が、来年の手取りを変えるスタートライン

ここまで読んでくださって、ありがとうございます。

最後に、この記事でお伝えしたことを振り返らせてください。

  • 白色申告から青色申告に切り替えるだけで、年間12〜15万円前後の手取りの差が生まれる可能性があること。
  • その申請期限は、2026年は3月16日(月)であること。
  • そして手続きそのものは、30〜60分で完結できるほどシンプルだということ。

「難しそう」「面倒そう」というイメージが、実はいちばんのハードルだったりします。でも、一度仕組みを整えてしまえば、毎年の確定申告が「乗り越えるもの」から「こなせるもの」に変わっていきます。

頑張って積み上げてきた売上を、申告方法のせいで余分に手放してしまうのは、やっぱりもったいないと思いませんか。

「一人でやるのは不安」「何から手をつければいいかわからない」という方も、ぜひ一人で抱え込まないでほしいのです。事業のお金と暮らしのお金を一緒に整えながら、自分らしい働き方とお金の未来をデザインするためのサポートを、私は提供しています。

まず一歩、踏み出してみませんか?

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