親の価値観と子どものための教育費
「米国で2011年度に入学した小学生の65% は、大学卒業時、今は存在していない職に就くだろう」
2011年8月のニューヨーク・タイムズ紙のインタビューに、米デューク大学の研究者であるキャシー・ デビッドソンさんが語った言葉だそうです。
これは米国のお話ですが、歴史的に見ても、現代ほど変化が加速している時期ってないと思います。
そして、2010年に需要のある仕事の上位10位までは2004年には存在していなかったそう。
多くの方から教育費の相談を受けて感じるのですが、子どもの教育(そして教育費のかけ方)のゴールを既存の価値観にあわせて設定するのはきわめて危険です。
これだけ少子化が続けば、お金さえ払えば誰でも大学に入れる時代が来ることは容易に想定できます。企業が求める人材も学歴ではなく、個人の資質へと変化しているようです。そもそも大企業が安定という前提も崩れつつある中、「良い大学を出て良い会社に採用されるため」にという価値観で教育費をかけたとしたら、それは無駄なお金になるでしょう。
では、親は教育を考えるときに、何を軸とすればいいのか?
それは「主体性を育てること」です。
いま、多くの企業が「決められた仕事をこなす人材」よりも「自分で考え行動できる人」を求めているそうです。
これは、企業で働く上ではもちろん、これからの時代を生きていく上で重要な要素と言えるでしょう。これらを教育方針に掲げる学校はありますが、ライフプランに見合わないほどの教育費をかけてまで行かせる必要もないでしょう。むしろ、そんなお金の使い方をする親の元では主体性も育ちません。
まずは親自身が主体的な人生を生きていることが重要であり、教育費を考える前に、人生全体を考えてみることが重要だと言えます。