ひふみ投信の魅力
尊敬するファンドマネージャー、ひふみ投信の藤野英人さんの講演を聞いて来ました。ご著書『投資家が「お金」よりも大切にしていること』を読んで感動し、ずっと会いたいと思っていたら、提携しているIFA(独立系の投資アドバイザー)さんが誘ってくれました。ちなみに私自身も「ひふみプラス」の積立をしています。
お母様が日本で一番ブラジャーを売った(!)セールスウーマンだった幼少期の話から、今の若い人は働くことが楽しいと思っていない→会社を信頼できない→投資嫌いになるという持論になるほどーと頷かされ、だからこそ「働いている人にありがとうと伝えることが大事」という主張に共感しました。藤野さんはコンビニの店員さんにも必ずありがとうと言うのだそう。
そして、どんな身近なものもサービスも、誰かがリスクをとって開発したり在庫を抱えて販売したりしている訳で、世の中はそういった「投資」の上に成り立っているという話にも納得。投資のない社会では便利な生活はありえないんですよね。
一番共感したのは、
「ありがとう」も投資です
というメッセージ。藤野さんの投資の定義は「エネルギーを投入し、未来からのお返しをいただくこと」なのだそう。ちなみに、エネルギーとは
情熱*行動*時間*回数*智恵*体力*運*愛情*お金
の掛け算であり、お金はごく一部だよ、ということをおっしゃっていました。とはいえ掛け算なのでどれかがゼロだとその結果、エネルギーがゼロになってしまうというその説明もとても腑に落ちました(そして私は行動が足りてないかもと反省)。後半は、日本の株式市場の分析や意外なデータ、ファンドマネージャーならではの成長分野の予測がとっても勉強になり大満足。
そして最後の質問タイムへ。平日日中のせいか会場には年配の方が多く、おいおい、いい話の後なのになんか聞き方偉そうだなと感じる人もいたのですが、藤野さんはとにかく丁寧に答え、最後に「良い質問をありがとうございます」と必ず言うのです。ラストに質問に立った方はかなりのおじいちゃまで、言葉も相当ふがふがしていて、マイクを持った係の方も通訳しようにも聞き取れず、どうするんだろうと思っていると、藤野さんは落ち着いた様子で
「ひふみ投信は投資先のどの企業のことを聞かれても、その実績や強み、経営者の姿勢などすべてお答えできます。そうやってひとつひとつの企業との信頼関係を大切にしながら、これからも投資家の皆さんの資産を育てていくので、応援宜しくお願いします」と話していて、きっとそれは質問の大意を心で受け止めたからそのように答えられたのだと思うのですが、おじいちゃんはとても喜んで涙を流していました。後で聞くと藤野さんの大ファンで会えて嬉しいということを伝えたかったのだそうです。私も昼間の大手町で、しかも金融のセミナーでこんな感動に出会えるとは思わなかったのですが、そのシーンを見ていて涙が出ました。
そして帰路では「投資の必要性を自分の利益だけではなく、社会の成長という意味でもっと多くの人に伝えよう。そして、ありがとうという気持ちが循環する世の中で経済も心も豊かにしていこう」と思ったのでした。