確定申告の納税額を見て、思わず二度見してしまった経験はありませんか?
「え…こんなに払うの?」
売上は順調に伸びているはずなのに、税金や社会保険料を払った後に手元に残るお金が思ったより少なくて。会社員時代と比べて、明らかに負担が重く感じる。
「フリーランスの税金って、こんなに高いんだっけ?」
そんな疑問を抱いている方、実はとても多いんですよね。でもここで、ちょっと立ち止まって考えてみてください。
実は、フリーランスの税率が特別に高いわけではないんです。
「じゃあ、なんでこんなに高く感じるの?」って思いますよね。その疑問、すごくよく分かります。
税金が高いと感じる背景には、所得税や住民税だけでなく、国民健康保険料や国民年金といった社会保険料も大きく関係しています。会社員時代には見えなかったこれらの負担が、フリーランスになって初めて「こんなにかかるんだ」と実感する瞬間が来るんですよね。
この記事では、会社員時代には見えなかった税金や社会保険料の仕組みと、フリーランスが「負担が重い」と感じる本当の理由を、できるだけ分かりやすくお伝えしていきますね。
会社員時代には気づかなかった「税金の真実」
給与明細に隠れていた「会社の負担」
会社員時代の給与明細を思い出してみてください。確かに所得税や住民税、社会保険料が引かれていますよね。
でも実は、あなたが払っている社会保険料と同じ金額を、会社も負担していたって知っていましたか?
例えば給与明細から3万円の社会保険料が引かれていたとしたら、会社も別途3万円を国に納めていたんです。つまり実際には、合計6万円の社会保険料があなたの収入に対してかかっていた計算になります。
でもその半分は、給与明細には出てこない。だから「そんなにかかっていたなんて知らなかった」となるわけなんですよね。
フリーランスになると、この「会社負担分」も含めて、すべて自分で払う必要が出てきます。これが、「フリーランスになったら負担が重くなった」と感じる大きな理由のひとつなんです。
【衝撃の比較】会社員とフリーランス、手取りはどれだけ違う?
ここで、具体的な数字を見てみましょう。年収500万円の会社員と、売上500万円のフリーランスでは、手取り額にどれくらいの差が出るのでしょうか?
ただし、ここで見ていくのは「何も対策をしていない場合」の比較です。フリーランスには実はさまざまな節税対策がありますが、それを一切使わなかった場合、どうなるのか。まずはそこから見ていきますね。
年収500万円 vs 売上500万円の手取り比較シミュレーション
会社員Aさんの場合
- 年収:500万円
- 所得税:約14万円
- 住民税:約24万円
- 社会保険料(本人負担分):約71万円
- 手取り:約391万円
フリーランスBさんの場合(経費計上なし・節税対策なし)
- 売上(収入):500万円
- 所得税:約27万円
- 住民税:約32万円
- 国民健康保険料:約50万円
- 国民年金保険料:約20万円
- 手取り:約371万円
差額:約20万円
何も対策をしなかった場合、会社員もフリーランスも500万円なのに、手取りで年間20万円もの差が生まれてしまいます。
「やっぱりフリーランスは税金が高いじゃない!」
そう思われるかもしれませんが、ちょっと待ってください。これはあくまで「経費も計上せず、青色申告も使わず、何も工夫をしなかった場合」の話なんです。
実は、フリーランスには会社員にはない自由度があって、やり方次第で手取りを大きく増やすことができます。でもその話は後ほど詳しくお伝えするとして、まず「なぜ対策なしだと負担が重く感じるのか」を理解しておきましょう。
この計算、実は会社員側の「隠れた負担」を含めていないんですよね。
実は会社が負担していた金額(会社員Aさん)
- 社会保険料(会社負担分):約71万円
つまり、会社員の年収500万円には、実質571万円の人件費がかかっていることになります。
一方、フリーランスは500万円の売上に対して、すべてを自分で負担。こう考えると、「フリーランスの税金だけが異常に高い」わけではないことが分かってきますよね。
では、なぜこんなにも「高い」と感じてしまうのでしょうか?
フリーランスが「税金が高すぎる」と感じる5つの理由
① まとめて払うから、痛みが大きい
会社員の場合、税金や社会保険料は毎月の給料から少しずつ天引きされていきます。だから「今月は手取り30万円だな」という感覚で、すでに税金を払った後の金額が振り込まれている状態なんですよね。
一方、フリーランスは違います。
売上が入金されるときは「満額」入ってくるので、つい「今月は50万円も稼げた!」と思ってしまう。でもその中から後で税金を払わないといけないわけで。
確定申告で「納税額80万円です」と言われたときの衝撃といったら…。まとめて払うことで、心理的なインパクトが全然違ってくるんです。
② 社会保険料を全額自己負担している
先ほどもお伝えしましたが、会社員時代は会社が半分を負担してくれていた社会保険料。フリーランスは、この全額を自分で払う必要があります。
具体的には、
- 国民健康保険料
- 国民年金保険料
この2つを合わせると、売上(収入)500万円の場合で年間70万円前後になります。月額にすると約6万円。
会社員時代の倍額を払っている計算になるので、「こんなに高いの?」と驚くのも当然ですよね。
③ 「給与所得控除」がない
会社員には、給与所得控除という、自動的に適用される控除があります。
これは「スーツ代や交通費などの必要経費を、一律で控除しますよ」という制度で、年収によって55万円~195万円が自動的に引かれるんです。
例えば年収500万円の会社員なら、144万円が自動的に控除されます。つまり税金がかかる所得は356万円として計算されるわけなんですよね。
一方、フリーランスには給与所得控除がありません。
その代わりに「経費」として必要な支出を差し引くことができますが、経費をきちんと計上していないと、売上がほぼそのまま課税対象になってしまうんです。
売上(収入)500万円で経費ゼロだと、課税所得も500万円(基礎控除等を除く)。会社員の356万円と比べて、かなり大きな差になってしまいます。
④ 源泉徴収がないから「税金の実感」がダイレクト
会社員は、毎月の給料から自動的に税金が引かれる「源泉徴収」のシステムで動いています。だから税金を払っている感覚が薄いんですよね。
フリーランスは違います。
売上が入金されるときは税金が引かれていない満額が入ってくるので、「お、今月は儲かった!」と思ってしまう。
でも、その中から後で税金を払わないといけない。払う瞬間の痛みをダイレクトに感じるので、「税金、高すぎる…」という印象が強くなるんです。
⑤ 税金の知識不足で「使える控除」を使っていない
「青色申告特別控除」「小規模企業共済」「iDeCo」など、フリーランスが使える節税対策はたくさんあります。
(iDeCoは会社員も使えますが、フリーランスの場合は掛金の上限が遥かに大きい)
でも、知らないから使っていないという方が多いんですよね。
例えば青色申告を選ぶと最大65万円の控除が受けられますが、白色申告のままだとこの控除は使えません。小規模企業共済に加入すれば、掛金が全額所得控除になって、将来の退職金代わりにもなります。
こうした制度を活用するかしないかで、手取りが数十万円単位で変わってくることもあるんです。
「知っているか、知らないか」
たったそれだけの差で、税負担が大きく変わってしまう。これも、フリーランスが「税金が高い」と感じる大きな理由なんですよね。
「税金が高い」は思い込み?実は賢く残す方法がある
ここまで読んで、「やっぱりフリーランスは大変なんだ…」と思われたかもしれませんね。
でも、安心してください。
フリーランスには会社員にはない自由度があります。それは、自分で工夫できる余地がたくさんあるということなんです。
会社員は、会社が決めた給与体系の中で働きます。節税の工夫をする余地は、ほとんどありません。
一方フリーランスは、やり方次第で手元に残るお金を増やせるんですよね。
例えば、こんな工夫ができます
① 経費をきちんと計上する
仕事で使っている家賃や通信費、交通費、打ち合わせの飲食費など、事業に関係する支出はすべて経費にできます。
年間100万円の経費を計上できれば、所得が100万円下がるので、税金も大幅に減らせるんです。
「でも何が経費になるのか分からない…」という方も多いかもしれませんね。自宅で仕事をしているなら家賃の一部、スマホ代やインターネット代、仕事関連の書籍代、打ち合わせのカフェ代なども経費として認められる可能性があります。
② 青色申告特別控除を使う
青色申告の要件を満たすことで、最大65万円の控除が受けられます。これは無条件で所得から引けるので、使わない手はありません。
確かに帳簿をつける手間は増えますが、今はクラウド会計ソフトを使えば、思ったよりも簡単に管理できるようになっています。
③ 小規模企業共済やiDeCoを活用する
掛金が全額所得控除になるので、節税しながら将来の資金も貯められます。小規模企業共済なら、月7万円(年間84万円)まで積み立てられて、それが丸々控除対象になるんです。
④ 所得の分散を考える
家族を従業員として給与を支払ったり、売上が大きくなったら法人化を検討したりすることで、税負担を最適化できる場合もあります。
対策するとどれくらい変わる?
先ほどのフリーランスBさん(売上500万円)の例で見てみましょう。
- 経費100万円を計上
- 青色申告特別控除65万円を使う
- 小規模企業共済に年間84万円(月7万円)を積み立てる
これだけで、課税所得を約250万円まで圧縮できます。
すると所得税と住民税の合計が約50万円削減され、さらに小規模企業共済の積立分84万円も将来戻ってくる。実質的な手取りは、約130万円以上アップすることになるんです。
「でも、そんなの難しそう…」
「私にできるかな…」
そう思われるかもしれません。確かに最初は少し手間がかかります。でも一度仕組みを整えてしまえば、あとは継続するだけ。
そして、その仕組みづくりを一人で抱え込む必要はないんですよね。
まとめ:税金が「高い」のではなく「見えていなかった」だけ
フリーランスの税金が高く感じる理由は、
- 会社員時代は会社が半分負担していた社会保険料を全額自己負担している
- 給与所得控除の代わりに、自分で経費を計上する必要がある
- まとめて払うから心理的な負担が大きい
- 使える控除や節税対策を知らない・使っていない
こうした理由があるからなんですよね。
でも、決してフリーランスだけが不利なわけではありません。
むしろ知識と工夫次第で、会社員よりも手取りを増やせる可能性があるのがフリーランスです。
大切なのは、
- 正しい知識を持つこと
- 自分に合った仕組みを作ること
- 一人で悩まず、必要なときにはサポートを受けること
「売上は上がっているのに、なぜか手元にお金が残らない…」
そんな悩みを抱えているなら、今こそ「お金の土台」を整えるタイミングかもしれません。
税金や保険料は、待ってくれません。仕組みを整えるのが早ければ早いほど、来年からの手取りが変わってきます。
せっかく頑張って手にした売上を、ムダなく手元に残す。そして事業も家庭も大切にしながら、自分らしい未来を実現していく。
そのための第一歩を、今日から踏み出してみませんか?

