個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」とは?②節税のメリット

前回のiDeCoとは①概要に続き、Kちゃんからの質問が続きます。

K:純子先生、iDeCoの導入や範囲が拡大された背景についてはわかりました。私もやっぱり取り入れるべきですか?

J:もちろん!FPとしては使わない手はないと思う。その理由の一つ、「3段階で税制優遇が受けられる」ことについて話すわね。高額納税者でもないし節税なんて、と税金のことを気にしていない人も多いけど、知らないとホントにもったいないから!ちょっとこの機会に覚えておいてね。

①掛金は「全額所得控除

J:Kちゃん、所得控除の意味がわからなくても、年末調整はしたことあるわよね?

K:加入している保険の控除証明書を提出するアレですね。

J:そう。例えば保険料控除なら、年間の保険料に対して一定額までが所得控除、つまり非課税になって調整で戻ったりするでしょ。確定拠出年金の場合「小規模企業共済等掛金控除」に該当して掛金の全額が非課税になるのよ。例えば、Kちゃんが毎月2万円積み立てたら年間24万円非課税枠が使えて、そこに所得税率(所得によって異なる)が仮に10%とすると所得税から2万4千円、住民税率(一律)10%で2万4千円、合計して4万8千円分も軽減されるというわけ。さらに所得控除を使うと、認可保育園の保育料の元になる市町村民税所得割額が抑えられる効果もあるのよ。

K:控除の名称が長くて覚えられないけど、要は自分のために積み立てながら節税もできるってことですね。しかも保育料が下がるなら預金よりもそこをメインに積み立てればすごくお得なのでは?

J:それはちょっとやりすぎかな。掛け金は月5千円以上で設定できるんだけれど、例えば自営業なら月額6万8千円まで、厚生年金のみで基金などの上乗せ制度のない会社員なら月額2万3千円まで、など拠出限度額が加入資格ごとに決まっているから、いくらでもってわけにはいかないの。それに公的年金の不足をカバーするという趣旨なので、原則60歳までは引き出せないこともふまえ、すぐ使うお金は他の方法で貯めていく必要があるわ。

K:なるほど、じゃあ教育費のために途中で一部をおろすってこともできないのか…

J:とはいえ、60歳まで積み立てを続けている間ずっと所得控除が使えるのって、チリも積もれば…じゃないけど、効果は大きいのよ。48,000円の節税が40歳から60歳まで20年続いたら96万円。利子とは性質が異なるけど、実質的なプラスを考えたら定期預金よりもお得でしょ。途中で拠出額を増やしたり税率が上がったりするとさらに戻りが増えるって考えるとモチベーションも上がるし。

K:逆に所得の低い場合はメリットがあまりないってことですね。

②金融商品の運用益に課税される税金(源泉分離課税20.315%)が非課税

J:そうとも限らないかな。今回新たに加入できるようになった専業主婦とか、駆け出しシングルマザーでまだ所得が低いって人の場合でも、やっぱりiDeCoを勧めたいポイントがあるの。それが今から話す2つ目と3つ目の税制優遇なんだけど、Kちゃん、源泉分離課税って知ってる?預金通帳をよく見ると利子から2割くらいが引かれてるでしょ。

K:え、そうなんですか?もう利子がほとんどないから気にしていませんでした!

J:確かにね。でも運用で10万円が15万円に増えた場合でも、運用益の5万円のうち1万円ちょっとが引かれると聞くと大きく感じない?iDeCoの場合は運用益が非課税なので、その分をまた運用に回すことができるの。これを課税繰り延べ効果と言って、運用がうまくいっているほど、節税効果に加え運用効率もアップするってわけ。実はNISA制度にも非課税メリットはあるけれど、現時点では非課税期間が最長10年(ジュニアNISAなら最長20歳まで非課税のまま継続保有可能)だから、さっき言ってた教育費など中長期の資金向き。老後までのより長期間課税繰り延べ効果があるのはiDeCoってことで使い分けるといいわ。

K:課税「繰り延べ」ってことは最終的に受け取る時に税金がかかるということですか?

③受取時に「退職所得控除」「公的年金等控除」適用

J:鋭い!個人年金などの保険商品にも課税繰り延べ効果があるんだけど、受け取る時には一時所得や雑所得として利益に対して課税されるの。でもiDeCoは一時金で受け取る時は退職所得控除、年金で受け取る時は公的年金等控除という非課税額の大きい計算法が適用されるから、かなり税負担が軽減されるの。例えば、退職所得控除の計算は下記のとおりだけど、iDeCoの加入年数が勤続年数とみなしてもらえるの。

勤続年数(①)
退職所得控除額
20年以下
40万円×①(最低80万円)
20年超
800万円+70万円×(①-20年)

加入期間がちょうど20年なら800万円、30年なら1,500万円までは非課税ってことになるの。運用がうまくいって受取額が大きい時や他の退職所得や年金と合算するとそれなりに課税される可能性もあるけれどね。

K:うわ、最強ですね。今まで節税を気にしていなかったけど、メリットが大きいってことがわかりました。私も活用しなきゃ、って気持ちになる反面、「運用の成果」次第って所が気になります。結局どんなに節税できても運用が失敗したら意味がないのでは?

J:Kちゃんって宝くじも買わないくらいリスク嫌いだものね。でも、運用ってハイリスク・ハイリターンなものばかりではないのよ。しかも、リスクをコントロールするためのコツがあるの。詳しく説明するからもう少し付き合ってくれるかな?

…………次回に続く。

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